百想(ペクサン)芸術大賞は、韓国で最も権威のある総合芸術賞です。「韓国のゴールデングローブ賞」と呼ばれることもあり、俳優やスタッフが「最も受賞したい賞」として挙げることでも知られています。
この記事では、ペクサン芸術大賞の基本情報から、テレビドラマ部門の受賞歴一覧まで、まとめて紹介します。
近年の受賞作品についてはピックアップからご覧ください。
ペクサン芸術大賞とは

- 正式名称:百想芸術大賞
- 創設:1965年(第1回)
- 主催:日刊スポーツ(韓国)※ 2022年以降。旧:韓国日報系
- 開催時期:毎年4〜5月ごろ
1965年、韓国日報の創立者・張基榮(チャン・ギヨン)の雅号「百想」に由来する賞として創設されました。当初は映画と演劇が対象でしたが、1974年(第10回)からテレビ部門が加わりました。演劇部門は2002年(第38回)に一度廃止されましたが、2019年(第55回)に若手演劇賞として復活し、現在は映画・テレビ・演劇の3部門制で運営されています。
他の賞との違い
年末に各テレビ局が行うSBS演技大賞・KBS演技大賞・MBC演技大賞などは、それぞれの局の作品だけが対象です。一方、ペクサン芸術大賞は地上波・ケーブル・ネット配信(Netflix、Disney+など)を含むすべての韓国コンテンツが対象になります。
視聴率や話題性だけでなく、芸術性・演技力・作品の完成度を重視した選考が行われるため、本国での評価が高い作品を知る指標として信頼されています。
2013年(第49回)からケーブル・総合編成チャンネル作品が対象に加わり、2020年代以降はOTT配信作品も主要受賞作に名を連ねるようになりました。
【ペクサン芸術大賞】テレビ部門

- 大賞(TV部門全体の最高賞。ドラマ・芸能・教養を横断して選出)
- 最優秀演技賞(男・女)
- ドラマ作品賞
- 演出賞(監督賞)
- 脚本賞
- 助演男優賞・助演女優賞
- 新人演技賞(男・女)
- 芸能賞(男・女)
- 教養作品賞
- 人気賞(PRIZM人気賞)
テレビ部門 歴代受賞一覧
テレビ部門が設立された第10回(1974年)以降の大賞を掲載します。第15回(1979年)から各部門で別々に大賞が授与されるようになりました。
| 回 | 年 | TV部門 大賞 | ドラマ作品賞 | 脚本賞 | 最優秀演技賞(男) | 最優秀演技賞(女) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 10〜14 | 1974〜1978 | 映画・演劇・TVを統合して大賞選出(TV部門からの大賞なし) | ─ | ─ | ─ | ─ |
| 15 | 1979 | TV部門大賞 初設(記録欠落) | ─ | ─ | ─ | ─ |
| 16 | 1980 | キム・ミンジャ『孤独な関係』 | ─ | ─ | ─ | ─ |
| 17 | 1981 | キム・ミンジャ『孤独な関係』 | ─ | ─ | ─ | ─ |
| 18 | 1982 | 『TV文学館−等身仏』 | ─ | ─ | ─ | ─ |
| 19 | 1983 | 『風雲』(演出・ファン・ウンジン) | ─ | ─ | ─ | ─ |
| 20 | 1984 | 『新・五天竺国伝』 | ─ | ─ | ─ | ─ |
| 21 | 1985 | 『韓国の蝶』 | ─ | ─ | ─ | ─ |
| 22 | 1986 | シン・ボンスン(脚本家)『朝鮮王朝五百年』 | ─ | ─ | ─ | ─ |
| 23 | 1987 | 『生爪』 | ─ | ─ | ─ | ─ |
| 24 | 1988 | 『愛と野望』 | ─ | ─ | ─ | ─ |
| 25 | 1989 | キム・ヘジャ『砂の城』 | ─ | ─ | キム・ヨンチョル『砂の城』 | パク・ウォンスク『土地』 |
| 26 | 1990 | 『平和、遠くても行くべき道』 | ─ | ─ | ─ | ─ |
| 27 | 1991 | 『第二共和国』 | ─ | ─ | ─ | ─ |
| 28 | 1992 | 『夜明けの瞳』 | ─ | ─ | ─ | ─ |
| 29 | 1993 | コ・ドゥシム『夫の女』 | ─ | ─ | ─ | ─ |
| 30 | 1994 | パク・チョル監督『母の海』 | ─ | ─ | ─ | ─ |
| 31 | 1995 | 『砂時計』 | ─ | ─ | チェ・ミンス『砂時計』 | キム・ユンギョン『あなたが恋しくなるとき』 |
| 32 | 1996 | EBS教養番組『韓国の爬虫類』 | ─ | ─ | イ・ビョンホン『風の息子』 | キム・ヘス『コムタン』 |
| 33 | 1997 | 『世界で一番美しい別れ』 | ─ | ─ | ユ・ドングン『恋人』 | キム・ヨンエ『兄弟の川』 |
| 34 | 1998 | イ・ジャンスPD | ─ | ─ | ユ・ドングン『龍の涙』 | ファン・シネ『シンデレラ』 |
| 35 | 1999 | チャン・スボン監督『時が流れても』 | 『時が流れても』 | ノ・ヒギョン『嘘』 | シム・ウンハ『青春の罠』 | ─ |
| 37 | 2001 | キム・スヒョン『銀のポプラ』 | 『おばさん』 | キム・スヒョン『銀のポプラ』 | キム・ヨンチョル『太祖王建』 | ウォン・ミギョン『おばさん』 |
| 38 | 2002 | 『太祖王建』 | 『ピアノ』 | キム・ジョンス『彼女の家』 | ユ・ドングン『明成皇后』 | チョン・イナ『女人天下』 |
| 39 | 2003 | 『オールイン』 | 『勝手にしやがれ』 | イン・ジョンオク『勝手にしやがれ』 | イ・ビョンホン『オールイン』 | キム・ヒエ『妻』 |
| 40 | 2004 | キム・ヒエ『完全な愛』 | 『花より美しく』 | キム・ギホ『バリでの出来事』 | チョ・インソン『バリでの出来事』 | ハ・ジウォン『バリでの出来事』 |
| 41 | 2005 | 『パリの恋人』 | 『ごめん、愛してる』 | キム・ウンスク他『パリの恋人』 | ソ・ジソプ『ごめん、愛してる』 | キム・ヘス『砂の城』 |
| 42 | 2006 | 『私の名前はキム・サムスン』 | 『土地』 | キム・ドウ『私の名前はキム・サムスン』 | キム・ジュヒョク『プラハの恋人』 | チェ・ジンシル『薔薇色の人生』 |
| 43 | 2007 | 『朱蒙』 | 『ソウル1945』 | チョン・ヒョンス他『朱蒙』 | キム・ミョンミン『白い巨塔』 | キム・ヘジャ『雪の女王』 |
| 44 | 2008 | カン・ホドン(バラエティ) | 『銭の戦争』 | イ・ギョンヒ『ありがとうございます』 | パク・シニャン『銭の戦争』 | ユン・ウンヘ『コーヒープリンス1号店』 |
| 45 | 2009 | キム・ヘジャ『お母さんが怒った』 | 『お母さんが怒った』 | ユ・ヒョンミ『神の秤』 | チョン・グァンリョル『カインとアベル』 | ムン・グニョン『風の絵師』 |
| 46 | 2010 | コ・ヒョンジョン『善徳女王』 | 『アイリス』 | チョン・ソンイル『推奴』 | キム・ナムギル『善徳女王』 | キム・ナムジュ『内助の女王』 |
| 47 | 2011 | ヒョンビン『シークレット・ガーデン』 | 『シークレット・ガーデン』 | キム・ウンスク『シークレット・ガーデン』 | チョン・ボソク『ジャイアント』 | ハン・ヒョジュ『トンイ』 |
| 48 | 2012 | 『根の深い木』 | 『太陽を抱く月』 | キム・ヨンヒョン他『根の深い木』 | キム・スヒョン『太陽を抱く月』 | コン・ヒョジン『最高の愛』 |
| 49 | 2013 | ユ・ジェソク(バラエティ『無限挑戦』) | 『追跡者 ザ・チェイサー』 | パク・ギョンス『追跡者 ザ・チェイサー』 | ソン・ヒョンジュ『追跡者 ザ・チェイサー』 | キム・ヒエ『妻の資格』 |
| 50 | 2014 | チョン・ジヒョン『星から来たあなた』 | 『グッド・ドクター』 | チョン・ソンジュ『密会』 | チョ・ジェヒョン『鄭道伝』 | イ・ボヨン『君の声が聞こえる』 |
| 51 | 2015 | ナ・ヨンソクPD(バラエティ『三食ごはん』) | 『風の便りで聞きましたけど!?』 | パク・ギョンス『パンチ』 | イ・ソンミン『ミセン-未生-』 | ソン・ユナ『ママ』 |
| 52 | 2016 | 『太陽の末裔』 | 『シグナル』 | キム・ウニ『シグナル』 | ユ・アイン『六龍が飛ぶ』 | キム・ヘス『シグナル』 |
| 53 | 2017 | キム・ウンスク『トッケビ』脚本 | 『ディア・マイ・フレンズ』 | ノ・ヒギョン『ディア・マイ・フレンズ』 | コン・ユ『トッケビ』 | ソ・ヒョンジン『また!?オ・ヘヨン ~僕が愛した未来~』 |
| 54 | 2018 | 『秘密の森』 | 『マザー 無償の愛』 | イ・スヨン『秘密の森』 | チョ・スンウ『秘密の森』 | キム・ナムジュ『ミスティ』 |
| 55 | 2019 | キム・ヘジャ『まぶしくて ―私たちの輝く時間―』 | 『マイ・ディア・ミスター〜私のおじさん〜』 | パク・ヘヨン『マイ・ディア・ミスター〜私のおじさん〜』 | イ・ビョンホン『ミスター・サンシャイン』 | ヨム・ジョンア『SKYキャッスル』 |
| 56 | 2020 | 『椿の花咲く頃』 | 『ストーブリーグ』 | イム・サンチュン『椿の花咲く頃』 | カン・ハヌル『椿の花咲く頃』 | キム・ヒエ『夫婦の世界』 |
| 57 | 2021 | ユ・ジェソクバラエティ『遊ぶなら何する?』など | 『怪物』 | キム・スジン『怪物』 | シン・ハギュン『怪物』 | キム・ソヨン『ペントハウス』 |
| 58 | 2022 | 『イカゲーム』 | 『D.P.-脱走兵追跡官-』 | キム・ミンソク『未成年裁判』 | イ・ジュノ『赤い袖先』 | キム・テリ『二十五、二十一』 |
| 59 | 2023 | パク・ウンビン『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』 | 『ザ・グローリー〜輝かしき復讐〜』 | パク・ヘヨン『私の解放日誌』 | イ・ソンミン『財閥家の末息子』 | ソン・ヘギョ『ザ・グローリー』 |
| 60 | 2024 | 『ムービング』 | 『恋人〜あの日聞いた花の咲く音〜』 | カン・フル『ムービング』 | ナムグン・ミン『恋人』 | イ・ハニ『夜に咲く花』 |
| 61 | 2025 | 『白と黒のスプーン ~料理階級戦争~』 | 『おつかれさま』 | イム・サンチュン『おつかれさま』 | チュ・ジフン『トラウマコード』 | キム・テリ『ジョンニョン:スター誕生』 |
| 62 | 2026 | リュ・スンリョン『ソウルの家から大企業に通うキム部長の物語』 | 『ウンジュンとサンヨン』 | ソン・ヘジン『ウンジュンとサンヨン』 | ヒョンビン『メイド・イン・コリア』 | パク・ボヨン『未知のソウル』 |
【ペクサン芸術大賞】近年の受賞作品ピックアップ
韓ドラファンに特に関わりが深い、近年の主要受賞をまとめました。
第56回(2020年) ── 椿の花咲く頃が4冠

『椿の花咲く頃』がTV部門大賞と脚本賞を含む4冠を達成。ドラマ作品賞は『ストーブリーグ』が受賞しました。視聴率23.8%を記録した『椿の花咲く頃』が、芸術性の面でも最高評価を得た年でした。
第57回(2021年) ── 赤い袖先のジュノが歴史的受賞
ジュノ(2PM)が『赤い袖先』で最優秀演技賞を受賞。歌手出身俳優として史上初の快挙として話題になりました。
第58回(2022年) ── イカゲームが大賞 OTT初の栄冠

Netflixオリジナル『イカゲーム』が大賞を受賞。配信作品がペクサンの大賞を取ったのは史上初で、審査委員が満場一致で決定したと報じられました。
第59回(2023年) ── ザ・グローリーとウ・ヨンウ弁護士が激戦
パク・ウンビンが『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』でTV部門大賞を受賞。ドラマ作品賞は『D.P.-脱走兵追跡官-』、脚本賞はキム・ミンソク(未成年裁判)が受賞。
TV部門の演技賞はイ・ソンミン(財閥家の末息子)とソン・ヘギョ(ザ・グローリー)が受賞しました。地上波ドラマのノミネートがゼロだったことも話題になりました。
第60回(2024年) ── ムービングが3冠、記念の60周年

Disneyオリジナル『ムービング』がTV部門大賞・脚本賞・新人男優賞の3冠。ドラマ作品賞は『恋人』が受賞。授賞式が60周年の節目にあたり、例年より大きな注目が集まりました。
第61回(2025年) ── おつかれさまとジョンニョンが活躍

TV部門大賞はNetflixの料理バラエティ『白と黒のスプーン ~料理階級戦争~』が受賞。百想史上初めてバラエティ番組が大賞を取った回として記録に残りました。ドラマ部門では『おつかれさま』(IU・パク・ボゴム主演)が作品賞・脚本賞を獲得。
TV部門の男性最優秀演技賞はチュ・ジフン(『トラウマコード』)、女性最優秀演技賞はキム・テリ(『ジョンニョン:スター誕生』)がそれぞれ受賞しました。
第62回(2026年) ── ミュージカル部門新設、未知のソウルが2冠
2026年5月8日、ソウル・COEX D ホールにて第62回ペクサン芸術大賞が開催されました。TV部門大賞は『キム部長の物語』のリュ・スンリョン、ドラマ作品賞はNetflixの『ウンジュンとサンヨン』が受賞。最優秀演技賞は男子がヒョンビン『メイド・イン・コリア』、女子がパク・ボヨン『未知のソウル』に贈られました。
第62回からは新たにミュージカル部門が新設され、初代演技賞は『ビートルジュース』のキム・ジュンスが受賞。韓国ミュージカル界の歴史的な瞬間となりました。
『ウンジュンとサンヨン』は尊厳死を描いたドラマで、心に深く残るよ
ペクサン芸術大賞から名作を探そう!

受賞結果を見るとき、押さえておきたいポイントがあります。
大賞・作品賞・脚本賞のいずれかを受賞している作品は、本国での評価が特に高い傾向があります。複数の賞を受賞している作品はさらに信頼度が高いです。
例として、「秘密の森」「マイ・ディア・ミスター:私のおじさん」「椿の花咲く頃」「怪物」「ムービング」などは、作品系の賞を複数獲得した作品です。視聴率が高くなくても評価される傾向が百想にはあるため、隠れた名作を見つけるのに向いています。
一方、主演俳優が人気賞のみ受賞している作品は話題性先行の場合もあるので、参考程度にしておくとよいでしょう。
まとめ
ペクサン芸術大賞は、1965年から60年以上続く韓国最高峰の総合芸術賞です。地上波・ケーブル・OTTを問わずすべての作品が対象になるため、「その年の本国での本当の名作」を知る最も信頼できる指標のひとつといえます。
受賞歴を見るだけで、韓ドラの歴史とトレンドの変化がよくわかります。視聴する作品に迷ったときは、ペクサン芸術大賞の受賞作から選んでみてください。
気になるドラマがあったら配信をチェック!


